梅シロップ発酵したら飲める?カビなどの危険性はないか調べてみた


毎年、梅雨になると、八百屋さんやスーパーの一画を青い梅が占領するようになりますね。

今年こそはと思いながら、爽やかな香りに誘われて近づいたものの、何を作れば良いのか…。
梅干しや梅酒はなんとなく当たり前。今年は梅シロップに挑戦してみませんか。

でも自分で作ると心配なことがありますよね。

もともと生の青梅には、青酸配糖体という青酸と糖が結びついたものがあります。
そのため、干したり漬けこんだりと手間をかけて、この物質を分解して、食べやすくしているのです。

それなのに、梅シロップを作る過程においては、発酵したり、カビが発生するかもしれないなんて、ちょっと躊躇してしまいませんか。
簡単に作れる上に、美容効果は絶大で、美味しい梅シロップは作ってみたいですよね。

そこで、梅シロップの作る過程で起こりがちな発酵やカビの対処方法を、調べてみたいと思います。

梅シロップって発酵したら飲めるの?


誰でも簡単に作ることができる無添加の梅シロップですが、作る過程でよく起こる事件があります。
その事件とは、丁寧にレシピ通りに作っているつもりでも、白い泡が発生すること。

原因は、梅シロップの発酵です。

発酵したものは梅シロップとして使えないとは限りませんが、初心者には判断しにくく、少しテクニックが必要。

例えば、漬け込んで3日くらいで、まだ青梅がエキスに漬かりきっていないときに、エキスを薄く覆うように浮かんでいるような白い泡。

これは、青梅についていた酵母菌と、比較的に温かい場所で保存していたために、
発酵したためにできたもので、氷砂糖の糖分がある間に発酵が進行し、お酒になってしまいます。

この場合、未成年の方やお酒が苦手な方は、飲むことができないのです。

また、若干、泡がある程度なら、混ぜてふたを開けてガス抜きをしたり、工夫をしても泡が増えていく場合は、
青梅を取り出して沸騰させないように、灰汁を取りながら少し加熱したりと、青梅や白い泡の状態にもよりますが、
飲めるように対処できる場合があります。

しかし、かなり変色して濁っていたり、アルコール臭の発生や、カビが発生している場合は、
梅を食べたり、エキスを飲むことは控えなければいけません。

発酵することやカビの発生を防ぐためには、事前準備や作る段階での工夫が必要です。

まず、青梅をスーパーで購入する際も、通販などで購入する際も、購入した青梅を放置することなく、すぐに梅シロップ作りを始めます。
なぜなら、収穫したばかりの青梅で梅シロップを作ると、発酵する可能性は激減するためなのです。
青梅は収穫してから常温で保管して、だいたい2日くらい経つと、甘い香りを漂わせ、黄色くなってしまいます。

また、梅シロップは完熟した梅でも作ることは出来るのですが、
果肉が崩れやすいため、とろみが酷くなり、泡が出たり、濁るだけでなく、梅のエキスがあまり出なくなってしまうのです。

青梅は熟していない方が、完熟したものと比べると、梅のエキスが出やすく、発酵を防ぐことができます。

糖度の高い梅シロップは、しっかりエキスに梅を漬けておかないと、発酵しやすくなる特徴があり、
その上、完熟した梅は発酵しやすくなるため、カビが発生しやすくなってしまうのです。

完熟した梅で梅シロップを作ると、芳醇な香りを漂わせるまろやかでフルーティーな美味しさを味わえますが、
作り方にはテクニックが必要とされます。

そのため、初心者やまだ作り慣れていない方は、発酵や、カビが発生しないように、
青梅が手に入り次第すぐに梅シロップを作り始めましょう。

ただし、未熟すぎる青梅を選んでしまうと、氷砂糖が溶けにくく梅のエキスの出も少なくなります。
梅シロップ作りには、未熟すぎる青梅でも、完熟しているものでもないものを使いましょう。

梅シロップを作る時の注意点とは


また、作る前の過程においても、少し工夫が必要です。
青梅を水洗いした後、そのまま使うとカビが発生しやすくなります。

そのため、水洗いした青梅は、ひとつひとつ丁寧に、水気をしっかりと拭き取って、
梅のエキスの出を良くするため、ヘタを取った後に冷凍庫で一晩以上、凍らせるのです。

青梅を凍らせることで、青梅自体の細胞が壊れ、梅のエキスが出やすくなります。
梅のエキスの抽出を早める効果もあるので、一晩は冷凍庫に保存してはいかがでしょうか。

また、冷凍庫に入れずに作りたい場合は、青梅にくしやフォークでつついて穴を開けると、同じような効果があります。

このような下準備をしたものを、煮沸消毒をしておいたビンに入れて漬け込むのですが、
ここでも少し工夫をして、発酵やカビの発生を防ぎましょう。

この段階でも注意しなければいけないことは、水気はカビが発生する原因になるということです。

一度冷凍した青梅は、皮が破けやすくなりますので、優しく丁寧に水気を拭き取って、
青梅と氷砂糖を交互にそっとビンに置いていきましょう。

最後に残った氷砂糖を敷き詰められるように重ねていくと、梅のエキスの抽出が早くなります。

氷砂糖が早く溶けると、糖度が濃くなるスピードを速くすることができるので、発酵を防ぐことができるのです。

てんさい糖やグラニュー糖といった、様々な砂糖でも作れますが、
初心者には、定番で最も人気のある氷砂糖で作った梅シロップがおすすめです。

慣れてきたら、氷砂糖のものと他の砂糖のものを作って、飲み比べしてみてはいかかでしょうか。

さて、漬けこんだ次の日から徐々に梅からエキスが出てくるので、砂糖が溜まりやすくなります。
ビンの中の温度を高くしてしまうと発酵しやすくなりますので、日光が当たらない冷暗所で、しっかりふたをして保存してください。

毎日こまめにビンを振ったり、梅のエキスと青梅を混ぜておかないと、発酵する可能性があります。
長期間、青梅を漬け込んだからといって、梅のエキスが多くなるのではなく、かえって青梅が発酵したり、カビが発生する原因になるのです。
そのため、1カ月以内に青梅は取り出すことをおすすめします。

漬け込んだの青梅は1カ月くらいで腐り始めるので、取り除いた後に残った梅のエキスを加熱処理しましょう。

鍋に移し替えたら、灰汁を取りながら沸騰しない程度に15分ほど火にかけて、殺菌。
このように殺菌することで、発酵が止められます。

そして、常温で冷ましてから冷蔵庫で保存するのです。
長期間、楽しむことができる梅シロップですが、保存には冷蔵庫がおすすめです。
冷蔵保存をする前にも、保存容器には必ず煮沸消毒をしましょう。

梅シロップの発酵ってカビとは何が違うの?


梅のエキスに浮かび上がる白い泡ができる状況が発酵のサインで、青梅自体にポツポツと生えるものがカビです。

梅シロップを作っていると、青梅が発酵してアルコール化してしまうことがあり、白い泡が発生してしまうのです。

下準備や作る過程で工夫すれば、発酵したり、カビが発生することを防ぐことは出来ますが、
自宅で作る梅シロップは無添加ということもあり、そもそも発酵しやすい上、カビが発生しやすい特徴があります。

例えば、漬け込んだ青梅は梅酒では実がエキスの中に沈みます。

ところが、青梅と砂糖で作る梅シロップは、作り始めてすぐにエキスに漬かりきってしまうことが難しく、
完成するまでの間に、いくつかの実がエキスから出てしまうことがあります。

さらに漬け込んで梅のエキスが出始めてくると、青梅が浮き始めるのです。

液体からはみ出た実をそのままにしておくと、カビが生えてしまうので、こまめにビンをふったり混ぜたりする必要があります。

そのため、保存するときは、比較的に目の届きやすい場所を選んで、こまめにチェックして、
発酵やカビの発生前のサインを見逃さないようにしましょう。

梅シロップのカビの原因としては、青梅やビンについた水分が挙げられます。

そのため、梅シロップを作る際には青梅の水分を拭き取ることや、
保存のビンの殺菌処理を怠ると、短期間の間にカビが発生してしまうのです。

カビが白く、香りが良い場合は、梅の酵母菌の可能性があるので、梅シロップだけを煮沸すれば良いのですが、
カビが青い場合や赤い場合、飲むことは控えた方が良いと言えるでしょう。
発酵やカビが発生したからといって、せっかく作った梅シロップだからと安易に飲むには注意が必要です。

梅シロップは発酵した方がよりコクがあって美味しいという方もおられますが、
発酵のサインは青梅がアルコール化した現象です。

健康にも美容にも良い万能の自家製梅シロップ。
どうしても飲みたいので、薄めて飲むからと言ってもお酒が苦手な方が飲む場合は、あまりおすすめできません。

そのような方がおられるご家庭の場合、少量でも効果はありますので、
スイーツのアクセントやジュースやハーブティーで量を調節して飲む等、風味やアレンジを楽しむこともできます。

発酵したり、カビが発生したらと不安になって諦めるよりも、一度、梅シロップ作りに挑戦してみてはいかがでしょうか。

関連記事

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする